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森と草原の歴史

日本の植生景観はどのように移り変わってきたのか

森と草原の歴史

古写真など資料と植物学のデータから過去の植生を復元して鎮守の森は原生植生でないことを証明、読売新聞で話題に。好評重版。

著者 小椋 純一
ジャンル 自然・生態・環境 > 生態
文化・歴史 > 考古学
出版年月日 2012/04/20
ISBN/JAN 9784772281119
判型・ページ数 A5・358ページ
定価 5,720円(本体5,200円+税)
在庫 在庫あり
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目次

第1部: 移り変わる植生景観
 第1章: 過去50年間における植生景観変化
  1.1 岡山県北部の中国山地(津山市阿波付近)の場合
  1.2 京都市北部郊外(左京区岩倉付近)の場合
  1.3 伊勢湾口の離島(神島)の場合
  1.4 総 括
 第2章: 明治~昭和初期の植生景観
  2.1 古写真に見る明治~昭和初期の植生景観
  2.2 文献類に見る明治期の植生景観
  2.3 旧版地形図に見る明治前期の植生景観
  2.4 樹幹解析からみた京都近郊の里山の歴史
  2.5 明治期における京都府内の植生景観変化の背景
 第3章: 近世から中世の植生景観-絵図を主要史料として-
  3.1 絵図類の利用による植生景観史研究のための方法論
  3.2  「華洛一覧図」と「帝都雅景一覧」の考察からみた文化年間における京都近郊山地の植生景観
  3.3 「出雲大社并神郷図」に見る鎌倉時代における出雲地方の植生景観
第2部: 変化する植生史の常識
 第4章: 草原の歴史
  4.1 日本の草地面積の変遷
  4.2 微粒炭分析に見る日本の植生の歴史
 第5章: 鎮守の森の歴史
  5.1 『偵察録』に見る明治前期における関東地方の鎮守の森
  5.2 八坂神社境内の植生景観の変遷
  5.3 出雲大社境内とその周辺の植生景観の変遷
  5.4 過去の神社林の一般的な植生を考える
  5.5 むすびと補足

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内容説明

日本の森と草原を中心とした植生景観の変遷を,さまざまな方法により,過去数十年から1万数千年のスパンで考察した本。絵図類,旧版地形図,古写真,文献類をもとにした従来の方法に加え,新たな試みとして,古木の幹を一定間隔で切ってその成長過程を調べる樹幹解析や土壌や泥炭中に存在する微粒炭を調べる微粒炭分析からの考察も含まれている。 考察では,近年大きく変化しつつある日本の植生史の常識についてまとめている。その一つは,草原に関することで,明治以降の国の統計や微粒炭分析などをもとに,森の国と言われることもある日本に,かつてどの程度草原が広がっていたかを考えている。日本の植生に占める草原の割合は,近年考えられてきている以上に大きかった可能性が高いことが見えてきつつある。 もう一つの近年大きく変わりつつある常識として,鎮守の森(神社林,社叢)の植生の変遷について取り上げている。その歴史を調べてみると,明治期などはマツやスギなどの針葉樹が中心の植生であったところが一般的であり,それがしだいに常緑広葉樹中心の植生へと変わったところが多いことがわかる。これまでの常識は,一部例外はあるとしても,基本的に正しくないものと考えられる。 ★新聞書評 読売新聞 朝日新聞

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