目次
1.シシ垣の分布と構造(矢ヶ崎孝雄)
2.猪鹿垣遺構を残し伝えるために-香川県小豆島をめぐる猪鹿垣群の踏査と実測の記録(港 誠吾)
3.農民の苦闘を語る砦-三重県紀伊長島の猪垣(中野朝生)
4.亜熱帯の森に眠る猪垣-沖縄県西表島の猪垣の配置形態と構造(蛯原一平)
5.近江に築造されたシシ垣-滋賀県高島市の遺構(白井忠雄・石庭孫義)
6.安芸のシシ垣と地域の歴史(佐竹 昭)
コラム1.世界遺産「熊野古道」を取り巻くシシ垣群(高橋春成)
第2部: シシ垣の保存と活用
7.滋賀県比良山地山麓の土石流災害対策を兼ねたシシ垣とその保存(高橋春成)
8.岐阜県根尾谷のシシ垣と活断層調査における活用(金田平太郎)
9.群馬県の猪土手-チーム「ししどって」の調査から(姉崎智子)
10.沖縄県奥集落の猪垣保存活動(宮城邦昌)
11.福井県奥越地方のシシ垣遺構探しとエコツアー(北川博正)
12.伊吹山の峠に残るシシ垣の保存活動(谷口隆一・高橋順之・高橋春成)
コラム2.里山イベントにシシ垣を活用(三浦美香)
第3部: シシ垣を調べる
13.シシ垣に類似する自然地形(金田平太郎)
14.発掘調査からみたシシ垣(越智淳平)
コラム3.東京都西多摩地方に残る猪堀跡(角田清美)
第4部: 現代のシシ垣
15.島根県の広域防護柵とその効果(金森弘樹)
16.住民の合意形成によって被害防止柵をつくる-現代版のシシ垣づくりにむけて(寺本憲之)
コラム4.大阪大都市圏に増えている被害防止柵(石井 亘)
内容説明
野生動物の被害を防いできた先人の知恵に学ぶ。シシ垣をテーマにした初めての本! 全国の里山に残る石垣や土塁。日本農村版「万里の長城」の正体は,野生動物による農作物被害を防ぐ防壁=シシ垣だった。シシ垣はどこにどのように築かれたのか,その実態を明らかにして文化遺産としての価値を提唱するとともに,地元住民やシシ垣ネットワークによる探索調査,保存活動など最新の動きも紹介する。 姉妹図書:★イノシシと人間-共に生きる(高橋春成編,5040円) 好評発売中!