目次
はじめに
プロローグ:「想定外」はどこから生まれるのか
●第Ⅰ部 情報が氾濫する現代,災害情報はどうあるべきか
1 東日本大震災時の災害情報の発信と露呈した問題点(砂防学における知の野生化研究会)
2 情報の信頼性をどう判断するのか(砂防学における知の野生化研究会)
3 琵琶湖の洪水リスクに気づくための情報提供の試行(森田一彦)
4 地域住民のニーズを反映した土砂災害警戒情報システム(佐口 治)
5 求められる防災専門家の発信(尾頭 誠)
6【解題】情報が氾濫する現代,災害情報はどうあるべきか
●第Ⅱ部 「答えはひとつ」からの転換
1 「市民の知」のあり方 -博物館での位置づけ/意味づけを巡る視点-(菅井 薫)
2 携帯情報端末を用いたインタラクティブシステムの実証実験(伏見清香)
3 土砂災害における危機管理と防災情報(池谷 浩)
4 山地をどう捉え,山地とどう接するか
4A 土砂災害防止法の現場経験(石尾浩市)
4B 土砂災害の地域性とその認識(田中隆文)
4C 協働的で持続可能な谷戸山管理(深見幹朗)
5 土地勘をスケープゴートにしてはいけない(中村俊成)
6 「地域」の多義性・多面性・多層性と防災(北山祐希)
7【解題】「答えはひとつ」からの転換
●第Ⅲ部 情報は精緻化せずに活かしたい
1 想定外を生まないために必要なこと(田中隆文)
2 災害は環境変化の一つ ―適切な情報発信にむけて―(町田尚久)
3 土砂災害対応における「知の野生化」と三つの「識」 (亀江幸二)
4 図書は情報にアイデンティティを与え,命を吹き込む
4A 災害情報のコンセプト・コンテンツ・コンテキスト・コネクト・ コントリビュート(田中隆文)
4B 砂防図書館の取り組み(松本美善)
5 すべてを測る -技術革新は知の新たな土俵を作る-
5A パッシブカメラとライトフィールド(田中隆文)
5B 航空レーザ測量技術からのヒント(鈴木清敬)
6【解題】情報は精緻化せずに活かしたい
●第Ⅳ部 「すべてを背負う知」からみえてきた災害の実態
1 「鉄砲水」という用語の成立過程と類似現象(西本晴男)
2 立山鳶崩れと常願寺川(今村隆正)
3 古文書資料の重ね合わせによる406年間の災害発生・土砂動態の解析(田中隆文)
4 昭和13年阪神大水害の惨状を今に伝える記録(後藤宏二)
5 積雪地帯に伝わる地方固有の「知」を科学し,地域防災の「技」に役立てる(松浦純生)
6 知の野生化を助けるマイニング
6A 降雨イベントの非類似度で土石流発生日を特定する(伊藤和磨)
6B 砂防研究の傾向をテキストマイニングでみる (上田渉多)
7【解題】「すべてを背負う」からみえてきた災害の実態
エピローグ:日常のボトムアップを防災に繋げる
索引/著者紹介/初出一覧
内容説明
「わかりやすい説明」の落とし穴、「注目する要因だけの知」が削ぎ落としている問題点、飼い馴らされた「科学知」の脆さ。これらを克服し、地域住民からの期待に応えるには、「すべてを背負う」防災科学が必要だ。防災関連分野の知恵を集め、これからの防災科学に必要な道筋・考え方・手法を示した。
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