目次
一 地球環境危機の時代における歴史意識/二 災害列島日本/三 3・11 東日本大震災その時/四 森が危機から人々を救済した/五 巨大な災害は天才を生む
第二章 森と海の日本文化
一 森の旧石器文化の誕生/二 森と海の文化としての縄文の誕生/三 戦争のない平和な社会
第三章 スギの森と日本人
一 屋久島花之江河(はなのえご)湿原の花粉分析/二 ヒマラヤの形成とスギ科の隔離分布/三 日本の天然スギの分布/四 スギとともに人類は進化した/五 最終氷期の寒冷・乾燥気候にスギは堪えた /六 スギの時代がやって来た/七 スギと日本人のルーツ/八 最古のスギ板は一万年以上前に作られた/九 日本は稲とスギの王国だった?/十 庶民の清潔な都市生活と豊かな食生活を保証したスギ/十一スギのささやきを聞く
第四章 ブナの森と日本文明の原点
一 畑作牧畜文明と稲作漁撈文明/二 ユーラシア大陸のブナ属の隔離分布/三 ヨーロッパブナ林の自然史/四 日本のブナ林の自然史/五 二つのブナ林の種の成熟と適応力/六 ブナ林と未来の文明
第五章 ナラ林文化と照葉樹林文化
一 照葉樹林文化とナラ林文化の農耕/二 ホモ・サピエンスの進化と照葉樹林/三 照葉樹林文化の発展段階/四 ナラ林文化と縄文文化/五 クリ林が支えた高度な縄文文化/六 土偶はナラ林文化のシンボル/七 ナラ林文化の発展段階/八 東西二つの縄文の森
第六章 アカマツ林と里山の文化
一 枯れていくマツ/二 富士山が世界遺産になった/三 日本列島におけるアカマツ林の形成過程
あとがき/初出一覧
内容説明
日本人は縄文時代から樹木を利用し、家を建て実を食料としてきた。また、災害から守るために木を植え、森の恵みで環境を豊かにしてきた。さらに、世界遺産に登録されるほどの森を維持してきた。しかし、個々の樹木と日本文化の関係は意外にわかっていない。花粉分析や古環境復元による詳細データでこれらを検証していく。弥生人は杉にあまり接していない、ブナは氷期に発展していない、マツ枯れ対策への疑問など、定説を見直す考察を展開する。
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